終活の中で残された家族に一番負担がかかると言っても過言ではないのが「空き家問題」です。住んでいる人が亡くなってから家の処分を考えようと思っていると、財産だったはずの家が管理費や固定資産税を支払い続けるだけの、〝負の財産〟になってしまうこともあります。
人が住んでいない家の維持はとても難しく、たった1年で天井のベニヤが落ちてくることもあるほど急速に傷みます。そうすることで倒壊の危険や環境悪化の危険性があると認定された「特定空き家」は、行政から適切な処置をとるよう助言・指導を受けます。これに従わないと勧告を受け、最終的には行政代執行によって強制的に解体させられてしまいます。もちろん解体費用は所有者に申請され、費用がかかります。
また「特定空き家」をそのまま放置していると固定資産税・都市計画税の住宅用地の特例から外され、税金が約5倍に上がってしまうこともあります。こういった様々な問題を引き起こしてしまう「空き家問題」ですが、解決しておくことで相続税の対策にもなります。親族も自分の家を持っていて相続をする人がいない場合は、空き家になる前に売却をするのも1つの方法です。
他にも、遺産相続のトラブルを回避することにもつながります。とりわけ、分割が難しい不動産は、相続争いの元になるケースが少なくありません。残された愛する家族が、あなたの死後に争う姿は見たくないですよね。生前贈与や遺言によって相続をするのか、処分によって財産として分割するのか。予め決めておくことで、相続した家族も不動産を持てあますことなくスムーズに活かすことができます。
終活を始めるのに「早すぎ」はありません。特に不動産については、認知症などになると、手続きが複雑になり余計に時間がかかります。早いうちから考えましょう。