筆の里工房 企画展『慈雲からのメッセージ』

この記事は2025年5月8日に作成および更新したものです。
おでかけやご利用の際は公式サイト等で最新の情報を確認してください。
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「日々是好日」「少欲知足」「主人公」......。どこかで聞いたことのあるこれらの言葉には、人生を豊かに過ごすための深い智慧が込められています。そんな言葉の数々を味わい深い筆致で書き残したのが、江戸時代の僧侶「慈雲」。現在、熊野町の「筆の里工房」で開催中の企画展『慈雲からのメッセージー白と黒のパワースポット』では、慈雲の貴重な作品が展示されるとともに、各作品にわかりやすい解説が添えられています。あなたの心に響く作品が見つかるかも!?

▼この記事を読んで分かること
◎筆の里工房とはどんな場所か。
◎筆の里工房の見どころ。
◎開催中の企画展の内容。
◎展示に凝らされた工夫や見どころ

この記事を読めば、ドライブがてら立ち寄るのにおすすめしたい「筆の里工房」の魅力がわかりますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.「筆の里工房」ってどんなところ?

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生産量日本一!広島が誇る「筆の町」の博物館

広島市の南東方向に位置する熊野町は、筆の一大産地として有名です。筆の生産における全国シェアはなんと約80%! そんな熊野町に平成6年にオープンし、地域内外から多くの人が訪れる「筆の里工房」は、筆専門の博物館として国内でも唯一無二の存在です。


年間を通じて個性的な企画展を開催

筆の里工房では、個性豊かな企画展を一年中開催しています。今回ご紹介するのは比較的大人向けの展覧会ですが、夏にはやなせたかし展、秋には日本画・洋画展、また年末にかけては毎年恒例の絵手紙展など内容はじつに多彩。東広島市に住む筆者も、時には子連れで、時には一人でしばしば訪れています。


2. 興味しんしん!『慈雲からのメッセージ』展

「小釈迦」と呼ばれた江戸時代の僧侶・慈雲

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さて、筆者は先日、筆の里工房で開催中の『慈雲からのメッセージ―白と黒のパワースポット』に行ってきました。
※展示は前期(4/19~5/18)・後期(5/20~6/22)にわかれています。今回ご紹介するのは5/18までの前期展示分になります。

慈雲(じうん)とは、江戸時代後期に京都や大阪で活躍した真言宗の僧侶。修禅に打ち込み、多くの庶民に法を説いて回ったため、「小釈迦(しょうしゃか)」とも呼ばれるそうです。

慈雲という名を聞いても実はピンとこなかったのですが、仏教やお寺が好きなので興味しんしん。チラシには「人生を豊かに過ごすためのメッセージをわかりやすい解説とともに紹介します」とあります。これは楽しみ!


3. 筆の里工房へ、いざ!

博物館の名物!? 世界一の大筆

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こちらが筆の里工房の正面入り口。
表には、企画展の大きな垂れ幕がさがっています。開館から30年余り経っていますが、近年リニューアルされ建物はとてもきれい。入り口でチケットを購入し、地下にあるメインの展示会場へと階段を下りていきます。


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と、階段の途中でいきなり大きな筆が目に飛び込んできました! こちらは長さ3.7m、重さ約400kgの「世界一の大筆」。博物館に常設されており、見どころのひとつです。

では、本題の企画展へ行ってみましょう!


味わい深い書と、親しみやすい解説

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企画展の入り口に到着。正面に肖像画のようなものが見えます。


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こちらが慈雲さん。深みのあるお顔をされています。


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イラストで描かれた慈雲さんも、なんだかかわいいですね。


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大変多くの展示作品があるなかで、個人的に目にとまったものをご紹介していきます。


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作品の前にはこんなポップが。解説を書いたのは、イラストの学芸員さんなんですね。「僧侶の書」というと敷居が高そうですが、丁寧な解説があるので誰もが楽しむことができます。


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一方、こちらには僧侶の方による解説が書かれています。わかるようでわからない言葉の意味……しばらく考え込んでしまいましたが、なぜか印象に残っています。


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地元のお坊さんによる書も展示されていました。書いたご本人によるコメント付きで、思いが伝わります。

このように、ただ作品を並べるだけでなく、それぞれの意味の解説、仏教の基礎知識、地域の方の協力による展示など随所に工夫が凝らされています。

企画内容は若手の学芸員さんが力を入れてされているとのことで、作品への思いや見る人への気遣いを感じて、思わず感動してしまいました。

ほかにも筆の里工房にはたくさんの見どころがあり、またお土産物やカフェも充実しています。ぜひ風の心地よいこの季節、ドライブがてら訪れてみてはいかがでしょうか?


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年代問わず楽しめる体験コーナーも充実。


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広島土産としておなじみの化粧筆。品揃えバツグン!


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筆の里工房に併設されたカフェ。ピザやパスタが美味しい♪


4. まとめ

・熊野町は日本一の筆の産地
・世界一の大筆は必見
・現在の展示は江戸時代の僧侶・慈雲からのメッセージ
・親しみやすい解説や工夫を凝らした展示は必見


名称
筆の里工房
住所
広島県安芸郡熊野町中溝5-17-1
TEL
082-855-3010
時間
午前9時30分〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日
毎週月曜日(祝日の場合翌日)
入館料
大人800(600)円 小中高生250(200)円 未就学児無料
( )内は20名以上の団体料金
ホームページ
筆の里工房ホームページ


(担当ライター:いづみ