山田:因果関係がわかりにくい分野ではありますが、どんな疾患もストレスフリーな環境は大切ですから。ところで田中さんのカウンセリングを受けた方は、マインドが変わることでどのような変化が起きていますか?
田中:こう変わるというのは人それぞれですが、多くの人がメディアに出ているものを是としてそこに引っ張られていく中で、良い意味で人のこと、人からの評価がどうでもよくなります。景色が変わったと言う方もいます。自分にしっかり軸ができるんですが、それは強堅でブレない軸ではなく、しなやかで清々しい柳の木のような軸です。「これが自分だ」とわかると、とても生きやすくなりますよ。
山田:審美歯科では、矯正治療を経てマインドが変わるということもあります。歯の本数も少なく、金属の詰め物も目立っていた年配の患者さんが、セラミックを入れて歯並びがキレイになると、通院につれて顔つきも服装も佇まいもいきいきとしてくる。こうした例は女性の患者さんに特に多いですね。
田中:自分を労る、つまり外見に気を遣うのは、自分を見つめる時間ですから、外から中が変わるというケースもありますね。ファミリーカーのCMって、幸せそうな家族しか出てきませんよね?「我が家もあんな感じじゃないといけないのかな」とつい比べてしまいがちです。でも、どうしてそう思うのか?本当にそうなりたいのか?何のために人と比較するのか?まずはその視点を持ってもらいたいですね。
山田:確かに、歯列矯正では芸能人など人と比べて自分の歯並びは…というケースは多いですね。歯科的つまり機能的にはこの方が正解と思っても、相談に来られる時には理想=ゴールを決めてしまっている方もいらっしゃいます。ちなみに、歯列矯正で主流となっているインビザライン(※)は、装着時間によって、つまり真面目にやるかサボるかによって治療期間に差が出てくるんですが、人生を好転させるためのマインドセットで、日々気をつけておくことはありますか?
田中:「もっとこういう状態になりたい」という気持ちで動いていると外側にフォーカスしてしまうので、「自分の良さって何だろう?」「これは本当に欲しいものか?」と日々チェックしてみてください。私自身、モヤモヤや違和感を毎日分析するクセをつけています。当たり前ですが、モヤモヤや違和感の理由は人によって違うんです。だからこそ自分の深層心理と向き合うことが大事です。
山田:私も色々と勉強する中で前向きな考え方が習慣付いていると思っていますが、本日は大変学びになりました。最後に田中さんの原動力について聞かせてください。
田中:そうですね。私は自分の内側を見て人生が変わりました。未来志向の脳を手に入れたんです。今は私だけでなく、自分で自分を幸せにできる人を増やすために伝えたい!という使命感が原動力です。簡単なはずのストレッチですら、毎日続ける人は2割しかいないという統計があります。マインドセットも、辛い時にしか自分と向き合わない人がたくさんいます。でも、地味なことを続けることが大事なんです。これが定着すれば、世界はぐっと良くなるはずです。
山田:本日はありがとうございました。
(※)アライナー(マウスピース型の矯正装置)を使用した矯正治療「インビザライン」。口腔内3Dスキャナーによってオーダーメイドでアライナーを作製し、装着。歯が移動していくのに合わせて新しいアライナーに取り替えていく。自由診療。詳しくはコチラからマンガで読めます。