山田院長(以下山田):早速ですが、吉田さんは呉市の情島(※1)に移り住み、島おこしに力を入れておられますが、そのきっかけは?
吉田さん(以下吉田):父と船で魚釣りをしていて、たまたま立ち寄ったのが情島だったんです。そこで、手繰り網で漁をしている島民のおじいさんに出会って、一緒に船に乗せてもらいました。そこから仲良くなって島へ通うようになり、獲れる魚の豊富さや島の歴史を知るにつれ、呉に住んでいても知らなかったこの素敵な島を盛り上げたいと思ったのがスタートです。とっても元気なおじいさんに惹かれたのもあります。今はたたき網漁をおじいさんから教わっています。
山田:私も普段から人との出会いは一期一会だと思っていますが、吉田さんも貴重な出会いをされたんですね。
吉田:そうですね。出会いって不思議ですよね。でも、いろんな人と出会い、離れる人も長く付き合う人もいて、良い出会いも悪い出会いもあって、そのどれもが自分の成長につながっていると思いますし、みんな出会うべくして出会ったんだろうなと感じています。実は小学生の頃、マレーシアに住んでいて、近所の男の子と仲が良くて。でも帰国してここ数年は疎遠になっていたんです。それが数年ぶりに再会して私が今やりたいことを話していたら、一緒にやろうってことになったんです!
山田:それは疎遠になっている間にも何かつながるものがあったんでしょうね。私も、10年以上前にブリッジを入れた患者さんが転勤で県外に出られ、また広島に帰って来られたんですが、近所の歯科医院では治療がうまく行かず、ちょっと遠いうちの院まで通ってくださる例などがあり、そんな時はとても嬉しく思います。他にも治療を通じて仲良くなった患者さんは、今でも長く通っていただけて人との出会いの大切さを実感しています。ところで、島おこしにはどんなビジョンを持たれているんですか?
吉田:現在島民は私含めて6名。ですが、神話や古墳、戦争など、歴史と文化が詰まった島です。この情島を含む瀬戸内の島々を結び、アイランドホッピングを行えるようにすることで、インバウンドも狙え、呉市に来た観光客の滞在時間も伸ばせると考えています。島おこしにはお金もかかるので、リサイクル事業を行うことでやりくりしています。でも今は日曜の渡船もなく、ぽつぽつと釣り客や親子連れが来る程度。これも認知度が足りていないのが原因なんだと思います。
山田:では、それを発信していくことが大事ですね。
吉田:はい、それはすごく大事です。リサイクル品をネット販売する際も、SNSを活用することで自分がこんなことをやっていると伝えることができます。それで、島体験をしたいという人や島おこしの協力者、さらに移住者までが増えれば最高ですね。先生は歯医者さんですが、SNSで発信などされていらっしゃるんですか?
山田:やっていますよ。今は特に顎関節症を重点的に治療しているんですが、コンビニくらいたくさん歯科医院がある中でも顎関節症を取り扱っている医院はまだ少なく、それをSNSで発信することで遠方からでも顎関節症の治療に来院される方が増えました。他にも、マウスピース矯正(※2)の症例紹介などもしています。歯科というカテゴリーの中でも得意な分野を発信し、それに特化して治療できれば患者さん歯科医双方にとって良いことですよね。昔だと考えれらないことですが、広島でも特化した歯科治療ができるようになってきているのはすごいことだと思います。