山田院長(以下山田):齋さんのサロンでは、髪や頭皮の改善を専門に行なっているんですよね。
齋代表(以下齋):はい。年齢とともに髪も老化していくので、例えばクセが強くなったり乾燥で広がりやすくなったりという悩みを抱える方は、歳をとるごとに増えてきます。カラーやパーマも若い頃に比べてダメージを受けてしまうので、そのダメージをいかにして抑えるか、ご自宅でどうケアしていくのかをアドバイスさせていただいています。
山田:シャンプーやトリートメントも、最初は独学で勉強されたとか。
齋:そうなんです。自宅の鍋を使ってあれこれ研究開発していました(笑)。髪質は人それぞれですから商品とも合う合わないがあります。でも改善できない人を一人でも減らしたい、瞬間のキレイではなく、長い目で見て悩みを解決したい…その一心でしたね。
山田:うちのクリニックでは、開業当初にセラミックの審美治療をされた方が、半年おきにメンテナンスに来られますが、15年近く経つのにすごく良い状態を保たれています。でも中には、虫歯でボロボロだった口腔内をしっかりキレイにしたけど、全くメンテナンスせずに数年後、元のようにボロボロに戻ってしまった方もいらっしゃいます。だから最近、日々行なうホームケアは大事だなと改めて思うんです。
齋:サロンに来る月1回も大事ですが、それ以上に家での1年間が大事ですよね。
山田:そうですね。きちんとホームケアをしている上でプロによる定期的なメンテナンスを受けると、持続性は高くなるでしょうね。だから歯科で言えば、まずは何も異常がないうちに来ていただきたいと思います。そこでアドバイスができますから。
齋:アドバイスする際に心がけていらっしゃることはありますか。
山田:接遇はそもそも大事で、クリニックでもコンシェルジュ的対応を心がけていますが、状態や治療について説明するときも、「ここがこうですね」と事実だけを穏やかにお伝えしています。歯医者は苦手なイメージを持たれやすい上に、人は怒られると注意が入って来ませんから。齋さんはどうですか。
齋:うちには〝お客様の髪をキレイにする〟というゴールしかありません。デザインもカラーもと広げすぎるとスタッフにも得意不得意が生まれます。1つしかないゴールのために技術を磨き、専門知識をつけ、経験値を積むことで、それが自ずとお客様へのホスピタリティにつながってくると考えています。それと、これは山田先生も同じだと思いますが、最初のカウンセリングを重要視しています。特に女性は、環境の変化やストレスも髪に影響を与えますから。
山田:そうですね。みなさん一人ひとり違った悩みをお持ちですから、最初にそこを理解し、ゴールを決めるのは大事ですね。ところで、口腔ケアは〝美味しく食べる〟という点からもとても大切です。私もいろんな飲食店に行きますが、齋さんも食にはこだわっていらっしゃいますね。
齋:はい。空腹が美味しく食べるスパイスになるよう、1日1食生活を送っています。そして1日1食ですが、朝晩フロスやマウスウォッシュを欠かしません。
山田:それはいいですね。虫歯菌や歯周病菌を持っていても、生活習慣によって虫歯や歯周病になりにくかったり、菌の数も減少させることができます。
齋:私も虫歯にはなりたくないので、興味深いですね。
山田:日本の場合、「予防」というと清掃に結びつけがちなんですが、歯を磨かない、甘いものをよく食べるといった「原因」をなんとかしないとダメなんです。ここで手っ取り早い方法が、プロバイオティクスつまり善玉の乳酸菌などのタブレットを毎日摂ることです。これで口腔内の悪玉菌と善玉菌のバランスが変わってきます。
齋:これも一つのホームケアで、美しさや健康を持続させるために大切なことですね。