瞑想力について

瞑想力について
南青山デンタルクリニック広島医院の山田院長が、
各業界のスペシャリストと対談するレポート企画。

今回は、超越瞑想の教師として
中四国各県や兵庫県で活動する末田靖彦先生をお招きして、
超越瞑想がもつ効果について、
また瞑想と口腔ケアから考える「脳」について
語っていただきました。
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食いしばりや歯ぎしりを引き起こすストレス
それ自体にもアドバイスできる歯科医へ
山田 英治院長


山田院長(以下山田):以前から超越瞑想がすごいとは聞いていて、それが広島でも教えてもらえると知って出会ったのが末田先生でしたね。先生、改めて超越瞑想について教えていただけますか。
末田先生(以下末田):はい。超越瞑想(以下TM)はインド発祥のヴェーダの知識に由来し、マハリシ先生によって体系化され、現在では世界で1000万人が実践している瞑想です。ビートルズがマハリシ先生から直接学んだことも有名です。簡単に言うと潜在能力を自動的に使えてしまう技術で、何かに集中したりコントロールする必要なく、自動的に満たされた状態へ入っていきます。
山田:私も先生に学んで、1日2回、20分のTMをできるだけ実践していますが、マントラを唱えながら瞑想することで、意識はありながら深い瞑想状態になるんですよね。これがこれまで独学でやっていた眠くなる瞑想とは全然違うと感じています。
末田:そうですね。いわゆる一般的な瞑想とは根本的に異なるのがTMです。マントラは一人ひとり違うため、だからこそTMではマンツーマンの指導が必ず必要になります。
山田:歯科で行うのは対症療法です。食いしばりや歯ぎしりがあり、その症状に対して西村式スプリント(※1)などの特殊なマウスピースで改善させていきます。でも、食いしばりや歯ぎしりを引き起こすストレス自体を消すことはできません。私がTMを学ぶことで、プライベートはもちろん患者さんのストレスへのアドバイスが少しでもできればと思ったのがTMを始めた動機でもあります。
末田:素晴らしいですね。ストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールは分泌によって体を蝕んでいきますが、このコントロールはとても難しいんです。しかし、研究によってTM実践中はコルチゾールが減少することがわかっています。20分という短い時間で睡眠の2倍以上の休息効果があるのも大きな特長で、瞑想中は自律神経が休み、疲労物質がなくなっていくんです。脳に一番良い状態のアルファ波が瞑想中以外にも出て、ストレスを入れにくい状態にしています。
山田:歯科診療もデリケートでストレスがかかりやすいものです。TMによってスッキリし、翌日にストレスを持ち越さないのは私自身嬉しさを感じています。TMは豊富な研究データがあり、ストレス以外の効果も大きいんですよね。
末田:はい。不眠症の改善やうつの改善、人間関係の改善をはじめ、1日の短い時間を使うだけで疲労を取り、脳を活性化させるので、仕事の効率や学業の成績にも良い影響を与えます。また東日本大震災では、TM教師が現地に入り、被災者のPTSDを数多く解消しています。実はTMは海外の多くの国で、医療マニュアルとして採用されているんです。


超越瞑想は自動的に潜在意識を使う能力
そこに心理的プロセスは必要ありません
末田 靖彦先生


山田:当院では、インビザラインなどマウスピース矯正(※2)を行っていますが、人はコンプレックスがなくなると心にも負の要素がなくなると実感しています。その点、TMには美容的な効果はあるんでしょうか。
末田:若返り(アンチエイジング)のカギとされているのがテロメアという寿命遺伝子で、テロメアから分泌されるテラメラーゼという酵素が細胞を甦らせると言われます。TM実践中は、このテラメラーゼ分泌が活性化する結果、寿命が延びるとされています。
山田:すごいですね。老化についての歯科的な話ですが、歯がないと口からの刺激がないので認知症になりやすいとされています。寝たきりの方でも、総義歯を作ったことで少し状態が良くなったという例もあります。こうしたことから現在は医療分野でも口腔衛生が見直され、噛むことが脳の刺激や健康に繋がっていると知られるようになりました。食べ物を一口30回噛もうという「噛ミング30運動」というものもあります。もちろんこれは継続していくことが大事ですが、TMも地道に続けることが大事ですか。
末田:はい。瞑想と聞くとスピリチュアルなイメージを持たれがちですが、TMはメンタルではなくフィジカルテクニックです。つまり筋トレと同じで続けるだけ効果があり、意気込んでやっても嫌々やっても〝やればいい〟んです。それにしても、山田先生のように幅広い視点と柔軟性を持たれている方は珍しいですね。これからの統合医療には必要なことだと感じています。
山田:ありがとうございます。歯科医療に携わるものとして、技術というのはもちろん大事だと思います。ですが、抜歯ひとつをとっても何分で抜いたかなんてどうでもよくて、患者さんにしたら1本の歯を抜くか抜かないかが大問題なわけです。だからどこまで患者さんに寄り添い、心のケアまでを考えていくかが求められていると思います。
末田:歯科でありながら命全体を見つめていらっしゃるんですね。
山田:そうですね。近年様々な研究が進み、歯科と睡眠時無呼吸症候群の関係や、歯周病と全身疾患などの関係が明確になってきました。特にジンジバリス菌と呼ばれる歯周病菌は、血液に乗って移動し口腔内のみならず身体中に悪影響を与えます。これが糖尿病やアルツハイマーに影響することもわかってきていますので、歯科医もこれまで以上に患者さんの体全体を考えないといけないと感じています。
末田:私たち一人ひとりも普段の口腔ケアをしっかり意識しないといけませんね。TMもコロナ禍で多くの人の意識が内側に向いたことで、これまで以上に興味関心を持たれています。
山田:コロナ禍だからこそ自分自身を見つめ直し、人生を良い方向に変えてもらいたいですね。末田先生、本日はありがとうございました。

(※1)夜用・昼用の2つのスプリント(マウスピース型装置)を用いた顎関節治療。就寝時は食いしばりによる顎・体への負担を軽減し、日中は顎のズレ・歪みを調整していく。
(※2)詳しくはコチラからマンガで読めます。




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