山田:お客様にもそうした将来の備えについてのことをお伝えしているんですか。
川村:はい。亡くなってしまったり病気になってしまったときの助けとなるのが保険ではありますが、最近は保険を使って老後に備えることもできますから、万が一があったときに役に立つけど、万が一がなくても役に立つ保険のあり方をお伝えしています。「保険って面白いかも」「意外とややこしくないんだな」と感じてもらえることがやりがいですね。
山田:なるほど。それから患者様やお客様に対して一人ひとりオーダーメイドで対応していくのも、歯科と保険は共通の気がしますが、川村さんはいかがですか。
川村:保険の場合、家族構成はもとより既往症や現在のお仕事など、ともすると人に言いたくないようなこともお伺いします。その中で将来の夢やビジョンも聞くことで、保険の内容や必要性など一人ひとり違った見方、提案をしていきます。たしかにオーダーメイドですね。山田先生はどうですか。
山田:私もまず、患者様が何を一番気にされているかを考えます。専門性が高いがゆえにその治療しか提案できない、ということがないよう、患者様一人ひとりの背景も考慮しながらフラットな目線、多角的な視野で寄り添っていくのが使命だと思っています。だから治療計画も、患者様の希望を聞きながらそこに添えるようにいつも進めています。
川村:寄り添うって素晴らしいですね。私の部下に、お客様から聞いた将来のビジョンを絵に描いて見せて差し上げている者がいます。すごくほっこりしますし、一生懸命さに嬉しくなります。「貯まる」とか「安い」という即物的なことだけじゃなく、お客様のことは自分のことと捉えられるチームをこれからも作っていきたいですね。
山田:絵にして見えるのはいいですね。「インビザライン」も、デジタル画像で矯正後のおおよその歯並び、つまりゴールが見えます。目に見えることで、そこに向かって頑張っていこうと思えますからね。
川村:ところで、虫歯や歯周病などよく耳にするもの以外に、歯のことで気をつけておくことってありますか。
山田:ストレスからか、コロナ禍で相談が増えているもののひとつが「食いしばり」です。朝起きて口や顎に痛みを感じる方はこれが原因かもしれません。アーモンドやピーナッツで歯が割れたり、奥歯が欠損しているケースもあります。歯が割れると致命的ですから、早めに相談した方がいいでしょう。私自身も、顎関節症について勉強しています。
川村:熱心ですね。実は私もコロナ禍で生活がガラッと変わったので、春から大学院に通っています。色々考えたんですが、クリエイティブな発想力を高めていこうと。働きながら学ぶという生き方を実践中です。
山田:コロナ禍で大変なことは多いですが、こうして私たちが学んだことを、患者様やお客様に早く還元できればいいですね。川村さん、本日はありがとうございました。