脳と噛み合わせ

脳と噛み合わせ
南青山デンタルクリニック広島医院の山田院長が、
各業界のスペシャリストと対談するレポート企画。
今回は、脳活性トレーナーとして、また廿日市市倫理法人会の
会長としても活躍中の山本祐加さんをお招きして、
「脳」と「噛み合わせ」の関係や、
「審美」「記憶」について語っていただきました。
対談_img
しっかり噛み、咬筋を動かすことは
脳の活性化に重要と言われています。
山田 英治院長


山本さん(以下山本):私たちの出会いは、廿日市市倫理法人会でしたね。
山田院長(以下山田):はい。当時のモーニングセミナーは速谷神社で行っていて、私自身神社が好きなので誘われて参加しました。
山本:そうでしたね。会では週に1回、仕事前の朝6時からのモーニングセミナーで毎回様々な講師を招いて、人としての美徳や経営者としてあるべき姿を学んでいます。普段周りに言えない悩みを持っている経営者も、ここで心のメンテナンスをされます。
山田:職場にフィードバックできる内容も多く、気軽に参加できるのもいいですよね。
山本:ところで、私は脳力、特に記憶力についての講師をしていますが、歯科の分野と脳って、関係性があったりするんでしょうか。
山田:実は口を動かす、つまり咬筋と呼ばれるエラ周りの筋肉を刺激すると、脳にも刺激が起こると歯科専門雑誌でも報告されています。この刺激は脳の活性化にとても大切なもので、入れ歯などの義歯を使用している高齢者とそうでない高齢者を比べると、使用していない方は認知症になる割合も高くなったという研究データもあります。
山本:それはやはり、物を噛まないということが関係しているわけですね。
山田:そうです。そしてこの筋肉や神経を働かせるという行為は、嚥下障害を防ぐ方法のひとつとも言われています。
山本:口と脳って、生理的にも近い距離にあるから、色々関わっているんですね。食べ物も昔と違い今は柔らかい物も多ので、意識的にしっかり咀嚼回数を増やすなどして食生活を見直さないといけないと感じます。
山田:また最近の研究で、アルツハイマー型認知症と歯周病の関係も明らかになっています。歯周病の原因菌であるジンジバリス菌が、炎症した歯茎から血管を通って全身を巡り、脳老人斑成分であるアミロイドβを産生、脳へ蓄積させるというものです。アルツハイマー型認知症の方とそうでない方を比べると、アルツハイマー型認知症の方に多くの歯周病菌が見つかったそうです。ちなみにこの菌、心臓にも移動し心臓病を引き起こす可能性があるとも言われています。
山本:え!歯周病って口の中のことだけだと思っていました。私は今のお仕事を始めてから喋ることが多く、歯並びや話し方の印象を大事にしています。合わせて、コロナ禍以前は対面でのセミナーも多かったため、口臭もすごく気にかけていました。歯周病って口臭の原因にもなりますよね。
山田:はい。歯周病の方は、甘ったるいような独特の口臭も特徴ですね。今、山本さんの方から歯並びについてのお話しが出ましたが、実際、審美面、特に歯並びで悩み来院される患者さんは多いですね。手っ取り早くセラミック治療を希望される方もいらっしゃいますが、現在は昔のようなワイヤー矯正ではなく、マウスピース型の「インビザライン」(※)なども主流になっているので、仕事を持たれている方にもオススメだと思います。

※アライナー(マウスピース型の矯正装置)を使用した矯正治療。口腔内3Dスキャナーによってオーダーメイドでアライナーを作製し、装着。歯が移動していくのに合わせて新しいアライナーに取り替えていく。自由診療。


記憶力も歯並びも自分に
自信を持てる点で同じですね。
山本 祐加さん


山本:私は歯並びがそんなに悪かったわけではないんですが、講師業をするにあたり思い切ってインプラント治療をしたことがあります。日数も金額もそれなりにかかりましたが、おかげで人前でしっかり笑えるようになりましたね。
山田:自分に自信がつきますよね。
山本:そうなんです。女性って特に、歯並びに自信がないと写真を撮るときも俯き加減になってしまったりがあると思うんですけど、それもなくなりました。口元の印象ってすごく大きいと感じていて、今はマスクで人とお会いすることが大半ですけど、マスクを取ってガッカリされないためにも(笑)歯並びは大切ですね。
山田:また、保険外治療をされた方というのは、メンテナンスや歯磨きなど、口腔内に対する意識が高まるというのも良い点です。さきほどの脳に関連しますが、インプラント治療をされる方は、歯周病が進行し歯がグラついているケースも多いんです。それを放っておくと、食べ物も柔らかい物になり、歯がある側だけで噛むため顎が痛くなったり、筋肉のつき方や顔のバランスも変わってきたりと弊害を生みます。だからインプラントにより両側で噛めるようになることは、脳への刺激の面でも良いと考えられます。
山本:私がお伝えしている記憶術のセミナーも、実は歯並びと似ているんです。
山田:どういうことですか。
山本:セミナーでは、4つの方法で覚え方をお伝えしていて、実際セミナー中は短時間で100〜200個の言葉を覚えられるようになります。受講されるのは、学校の成績が悪いと悩んでいる小学生から、物忘れに不安を感じている高齢の方までです。
山田:アクティブ・ブレイン・セミナーは少し知っていましたが、年配の方も記憶力が上がるなんてすごいですね。
山本:はい。私のテーマが『いつからでも、いくつからでも』ですから(笑)。それで、言葉を覚えられる実体験をすると、みなさん自信がつくんです。そして自信がつくと、これまで躊躇していたことにもチャレンジできるようになります。「自分ってまだまだやれる!」と思うわけです。
山田:確かに、歯並びがキレイになり、自信を持って人前に出られるのと似ていますね。
山本:入り口は記憶術ですが、それは単なるツールであって、自分の能力と脳力に自信を持って、人間力を高め、チャレンジしてもらうことが本来の目的なんです。歯並びも見た目だけでなく、キレイになることで自信が持て、噛み合わせがよくなると美味しい食事も気兼ねなくできますよね。つまり〝生活が豊かになっていく〟、そこは歯も脳も同じなんだと思います。
山田:そうですね。本質的には人生が豊かになっていくという点で同じですね。
山本:あとはやる気や決意も重要です。「できないかもしれない」と思うと、やっぱり覚えられないものなんです。
山田:そこも歯と脳は似ていると思いますよ。キレイになりたい、快適な生活を送りたいという強い気持ちがスタートになりますから。山本さん、本日はありがとうございました。




セミナーハウス-Y's

廿日市市倫理法人会

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