テレビ新広島(TSS)「ひろしま満点ママ!!」MC
/棚田 徹さん

vol54_棚田徹さん
テレビ新広島(TSS)
「ひろしま満点ママ!!」MC
棚田 徹さん

【プロフィール】
1961年生まれ、大竹市出身。
広島大学を卒業後、1984年テレビ新広島へ入社。
スポーツや報道番組を担当した後、1997年からは『広島もてなしキング』のナビゲーターを務める。2000年4月からは、今なお続く人気番組『ひろしま満点ママ!!』(毎週月曜〜金曜 9時50分〜)のMCに。また、1977年から続く長寿番組『釣りごろつられごろ』のナビゲーターも担当。
趣味は山登りで、近場から全国各地の名峰まで、毎週のように登る登山家。ちなみに毎回奥さんも一緒のおしどり夫婦。山に登る理由を尋ねると、「気持ちがいいというのもあるけど、最近になって『そこに山があるから』(登山家・ジョージ・マロリー)の感覚がわかるようになってきた」と話す。


ただ〝普通〟であることが、
長続きの理由


 教師を志すも、親から「喋り方が向いてない」と一蹴され、アナウンス教室に通い始めた学生時代。そこで講師から“声”を褒められて気をよくしたのが、アナウンサー人生の原点だと話す棚田さん。テレビ新広島に入社後は、フジテレビで1ヶ月間の新人研修が通例。しかし、広島に戻っても仕事がないからという理由で、さらに数ヶ月フジテレビで仕事をすることに。だから“初鳴き”はフジテレビ。大人気番組『ドリフ大爆笑』の提供読みでした。
 『ひろしま満点ママ!!』のメインキャスターに抜擢されたのは、38歳のとき。それまで出演していた『広島もてなしキング』から一転、朝の帯番組を担当することになり、「早起きが苦手だから、ちゃんとできるか不安しかなかった」と当時を振り返ります。そんな番組も、今年25年目。放送回数も5000回を優に超える長寿番組です。「『釣りごろつられごろ』も番組としては47年、自分が担当している期間も20年ほどになります。どちらの番組も視聴者に長く愛してもらっていますが、その理由は正直よくわかりません。でもあえて言えば、私が普通だから、その辺にいる人だからかもしれませんね。オーラなんてまったくないですから(笑)。でも、私がすごく存在感のある人間だったら、こんなに長続きはしていないと思います」。
 そんな『ひろしま満点ママ!!』ですが、実は「(MCの相方が)古沢アナとだったらやれます」とスタートした思い入れの強い番組。しかし2018年、古沢アナが病気によって長期休演することに。最も信頼していた相方がいなくなり、加えてこの年は西日本豪雨もあり、本当に辛かったと振り返る棚田さん。ただ、「古沢アナが戻ってくるまでみんなで頑張ろう」というスタッフ全員の気概が、自身を奮い立たせてもくれました。だから2022年10月に古沢アナが戻ってきてくれたことは、最も忘れがたい出来事です。
 カッコつけない。これが棚田徹のポリシー。言うは易しでも、自分の嫌な部分、情けない部分もさらけ出し、それを見られることは、相応の覚悟と肝の座り方が必要です。ただ、視聴者にとってごまかしのない人間であるためには、この姿勢が大切なのだと話します。そしてこうしたことを後進に伝えていくのも、先輩アナとしての棚田さんの務め。「地域密着の情報番組として、これからもっと番組は盛り上げていきたい。一方で、若い人材が成長できるアドバイスもどんどんしていきたいと思っています。そして、『棚田さん、長い間お疲れさまでした』いつかそんなことを言ってくる若い人が出てくるのを、どこか期待もしています」。




d863ad4f5a4dd28e2a71a753d8c540bb

冬期には雪山にも登る本格派。金土日を休みにし、その多くを山で過ごす時間に使うことで、月曜から木曜の仕事への活力にもなっていると話します。写真は鳥取県・大山の山頂にて。