学校法人 鶴学園 理事長/総長 鶴 衛さん

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学校法人 鶴学園 理事長/総長
鶴 衛さん

【プロフィール】
1957年11月生まれ、広島市出身。
1983年3月 広島修道大学大学院商学研究科博士前期課程修了
1988年5月 デラウェア大学大学院教育学研究科、博士前期課程修了(Master of Education)
1988年5月 学校法人鶴学園 理事および評議員 就任
1988年9月 同学園 常務理事 就任
1991年1月 同学園 副理事長 就任
2002年4月 同学園 理事長 就任
2006年7月 同学園 総長 兼務
2011年4月 同学園 広島工業大学 学長 兼務(~2019年3月)

なぎさ公園小学校、広島なぎさ中学校・高等学校、広島工業大学高等学校、広島工業大学専門学校、広島工業大学からなる鶴学園の第三代理事長。健康法はたまのゴルフと朝の散歩。


〝教育は愛なり〟ただそれだけを実直に。

 やがて来る電気や電波の時代を見据え、父・襄氏が創立した学校法人鶴学園。後継としての意識は幼少期からあったものの、それが使命感となったのは大学生の頃だったと振り返ります。祖父は広島の私学教育に情熱を注いだ虎太郎氏。下半身不随となりながらも子どもたちのために授業を続けた虎太郎氏の言葉『教育は愛なり』は、最も大切にしている建学の精神です。
 小学校から大学まで広島でも珍しい総合学園のトップとして、常に考えるのは「子どもたちのために何ができるのか」。コロナ禍初期には国から休校の方針が示されましたが、オンライン授業へ移行するため学園に通う全家庭に臨時奨学金を給付。全国に先駆け迅速に各家庭の情報教育体制を整えました。「現場の教員はオンライン授業をしたことがないので準備は大変でしたが、近い将来取り組まねばと思っていたことにコロナをきっかけに一歩踏み出すことができたのも事実です。教育は教員と子どもが向き合って生まれるものという意識が日本には根強い中、今後もオンラインならではのメリットは教育に取り入れていきたいと思います」。
 少子化が進む日本。選ばれる学校になるためには、子どもたちにいかに力を付けさせるかが課題でもあります。他の学校よりも子どもたちをしっかり育てて能力等を伸ばしていくこと、さらに社会人になって役立つ人間力を磨くため、真面目に努力を続ける姿勢を在学中に身に付けさせること。それらが私学の使命なのだと語ります。そしてこうした積み重ねが、大学においては就職率の高さ、離職率の低さという数字としても確実に表れています。最近では、地元企業の社長から「今の会社の主力は広島工大の卒業生ですよ」と言ってもらえることも増えたそう。また、今年開校20周年を迎える小学校は、教科書のほかに手づくりの教材を創り、本物に触れる体験を軸にした独自の教育を実践。昨年は話題の書籍『ルポ 誰が国語力を殺すのか』でも取り上げられるなど高い評価を受け続けています。これら全ての根っこにあるのは、建学の精神『教育は愛なり』と、教育方針『常に神と共に歩み社会に奉仕する』。選ばれる学校であるために、時代が変われども変わらないこの柱に基づいた鶴学園らしい教育を進めていきたいと鶴さん。「それには、教職員全員が同じ方向を向いていくことが不可欠で、その舵取りが私の役目です。昨年はパーパス(学園の存在意義)も新たにし、学園として目指すべき価値をその言葉に込めました。『人を想う、どこまでも。』と」。




鶴学園のロゴ

2022年度より一新された鶴学園のロゴ。大きく柔軟な翼を持つ「鶴」をモチーフに、力強くしなやかに未来へ羽ばたく姿をイメージしています。また体は前方を、頭部は後方を見ている鶴のシルエットは、児童・生徒・学生を最後まで見る、絶対に取り残さないという「教育は愛なり」の姿勢が表現されています。