中村百合恵・吉光みつえ「薫風に靡く錫と籐の姉妹展」【福屋八丁堀本店】

この記事は2023年6月20日に作成および更新したものです。
おでかけやご利用の際は公式サイト等で最新の情報を確認してください。
姉妹展-2023

錫(すず)がもつ柔らかな輝きは、永い歴史の中で世界中の人を魅了し続けています。

籐(とう)は「ラタン」とも呼ばれ、自然素材ならではの質感と風合いが特徴的。

今回は、素敵な「錫と籐」の魅力をお伝えします。

お気に入りの逸品をみつけて、夏をおしゃれに心地よく過ごしましょう。

▼この記事を読んで分かること
◎中村百合恵さんの「錫」作品について。
◎吉光みつえさんの「籐」作品について。
◎「錫と籐 姉妹展」の詳細。

この記事を読めば、中村百合恵さんと吉光みつえさんの姉妹展についてわかるので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 中村百合恵さんと、吉光みつえさんについて。

錫作品
中村百合恵さんの錫作品
籐作品
吉光みつえさんの籐作品

広島市中区八丁堀の福屋八丁堀本店にて開催中の「中村百合恵&吉光みつえ【薫風に靡く錫と籐の姉妹展】」へ行ってきました。

毎年、全国各地で開催されている姉妹展です。


中村百合恵さんは、東京の立教大学を卒業後、大阪の伝統工芸である錫器に出会い、錫製品を扱う老舗に嫁ぎ、「家業の錫器を自分でも作ってみたい」と、趣味で錫細工を習い始めたのがきっかけなのだそう。


錫と籐の作品

吉光みつえさんは、立教大学在学中に、キャンパスそばの籐工房にて、籐工芸を習い始めたのがきっかけということです。

姉妹ともに「趣味でやってみようかな?」という気持ちからスタートし、今はプロの作家になったという経歴の持ち主です。


中村百合恵さん、吉光みつえさんともに、筆者と同じ、広島女学院の卒業生ということもあり、この姉妹展を毎年たのしみにしています。


2. 錫作品の魅力/中村百合恵

錫作品2

錫のかたまりを鉄の器に入れて230度前後で熱すると、液状になります。
それを型に入れ、厚さ2、3ミリの板にします。
その後に、模様が刻まれた金づちで板をたたくと、模様が表面につきます。
それを金属製の台に乗せて木づちなどでたたき、器の形に仕上げるのだそう。


花生

花器


花器2


錫は、高いイオン効果による殺菌作用があるため、「錫の器に入れた水は腐らない」とのこと。

水を傷みにくくするため、錫の花瓶に切り花を飾ると、お花が長持ちします。
お花がシンプルな色とデザインに映えますね。


皿や猪口など

猪口


グラス


錫は熱伝導率がよいので、ビールグラスや猪口にお酒を注ぐと、すぐに器を冷やすことができます。
さらに、お酒の口当たりをまろやかにするのだそうです。

しかも割れず錆びないため、人体への影響がない金属です。

美しさと柔軟性を兼ねそなえ、磨くと輝きを放つのが特徴。


おしぼり皿

人気の「おしぼり皿」。

普段使いにもぴったりですね。


「日常生活にぜひ、錫の器を取り入れてみてください。」と話す、中村百合恵さん。


「現代の暮らしにあったモダンな皿や器」が中村さんのコンセプト。

展示でも、和の心と個性が光る作品がそろっています。


中村さんの作品は、「ゆり工房」から購入することもできます。


ゆり工房 ホームページ
ゆり工房


皿


皿2


今回、筆者は、2種類のお皿を贈答用に買いました。

金のアクセントに惹かれた丸い皿と、桜の形の皿です。


3. 籐作品の魅力/吉光みつえ

籐作品2

籐は、rattan(ラタン)といい、熱帯や亜熱帯に自生するヤシ科のつる性植物。

日本では採れないため、100%輸入されます。


そのため、「籐や布などのパーツは海外から取り寄せ、買い付けにも行きます。」と話す、吉光みつえさん。


籐は通気性がよく、見た目も涼しげなので夏にぴったりですね。

ファッションとインテリア、どちらにも取り入れやすい素材です。


バッグ

籐バッグ

「地球上最長の植物」ともいわれる籐は、繊維層の集まりなので、強くてしなやかです。
そして、軽いのが特徴。

籐製品を作る時は、水に濡らしながら編んでいくのだそうです。


あらかじめ色をつけた籐を編み込んだり、完成した後に染色したりする場合も。

吉光さんはいくつかを並行して編みあげるため、最短3日ほどで完成することも。


籐バッグ2


バッグ3
バッグの内側も、こだわりの素材で作られています。


ベーシックなデザインから、個性的でおしゃれなもの。

色もバリエーション豊富な籐バッグは、吉光さんのこだわりが光ります。


1つ持っていると、カジュアルからフォーマルなシーンまで着こなしが洗練されるはず。


インテリア小物

小物

スマホを置くことができる「携帯スタンド」も便利なアイテム。
大人気だそうです。


アクセサリー

アクセサリー 籐


アクセサリー 錫


籐や錫でつくられた「ペンダントトップ」も素敵です。


その日の気分や季節によって、ペンダントトップを替えることができるのがポイント!

籐のペンダントトップは購入した後に、コーヒや紅茶で染めることもできるのだとか。


ペンダントトップは筆者も購入し、お気に入りのアイテム。娘と一緒に使っています。


※吉光さんの籐作品は、展示販売の期間中のみ購入できます。


4.まとめ

中村百合恵さんと吉光みつえさん姉妹による、作品の数々をご紹介しました。

涼やかな表情のお皿、花生、アクセサリーなど日常使いの錫の器たち。
色や形、個性豊かに編みこまれた籐のバッグや盛りかご。

ひとつひとつが「手作り」のため、オンリーワンの品ばかりです。

鮮やかで、美しい錫や籐の逸品は、日常の空間にあるだけで心が豊かになっていくことでしょう。

華やかで上品な魅力にあふれた錫と籐のアイテムに、皆さんも触れてみませんか?




中村百合恵 (Yurie Nakamura)╱プロフィール


広島市出身。立教大学文学部卒業。

大阪の伝統工芸である錫器に出会い、現代の暮らしに合ったモダンな皿や花器の製作に取り組んだ。

1997年 ゆり工房を設立し、プロ作家に。

その直後第20回ハンドクラフトフェアで新人賞を受賞。

“和心伝新”(和の心を新しく伝える)をコンセプトに、地元大阪・神戸、名古屋、東京などの都市圏で展示会を毎年開催中。

大阪あべの辻調理技術研究所非常勤講師

大阪商工会議所女性会連合会会員


名称
ゆり工房/中村百合恵
住所
大阪市住吉区帝塚山中2-6-16-B3
TEL&FAX
06-6672-0286
E-mail
yuri-koubou@rio.odn.ne.jp
ホームページ
ゆり工房



吉光みつえ (Mitsue Yoshimitsu)╱プロフィール


広島市出身。

1973年 立教大学在学中、籐工芸家長谷川正勝氏に師事し、籐工芸の創作を始める。

1977年 大学卒業とともに広島市に帰り、籐工芸教室の講師を始める。

2000年より、大阪梅田阪急、芦屋大丸、甲子園都ホテル「NUNOKAME」、須磨大丸、難波高島屋、東京三田アスプルンド、麻布十番紅中、日本橋三越など、京阪神各地や東京にて「錫と籐の姉妹展」を開催。

2002年 神戸ポートピアホテルにて、関西日米婦人会主催のJAWKアートショーに参加。

海外の女性にも籐工芸の魅力を紹介。

現在 広島市にて籐工芸教室を主宰。

バッグ、インテリア小物などを中心に創作活動を続けている。


名称
吉光籐工芸/吉光みつえ
住所
広島市東区愛宕町8-35
TEL
090-7501-1387
E-mail
mitsue6611@ezweb.ne.jp


薫風に靡く錫と籐の姉妹展 ~中村百合恵&吉光みつえ~

2023年6月15日(木)から、6月21日(水)まで開催

名称
薫風に靡く錫と籐の姉妹展 
~中村百合恵&吉光みつえ~
住所
広島市中区胡町6-26 
福屋八丁堀本店 6階 漆ジャパン
TEL
082-246-6111
時間
10時30分~19時30分
最終日 17:00 閉場
ホームページ
福屋八丁堀本店
(担当ライター:山田典子