株式会社みどりホールディングス
株式会社第一ビルサービス 代表取締役 杉川聡さん

Vol.41_杉川聡さん
株式会社みどりホールディングス
株式会社第一ビルサービス 代表取締役
杉川 聡さん

【プロフィール】
1957年生まれ、広島市出身。修道高校、慶應義塾大学商学部卒。1981年㈱第一ビルサービス入社。1985年代表取締役就任。以降、不動産管理業を中心に、介護事業・保育事業・給食事業、また商業施設・宿泊施設などの再生事業を中四国で幅広く展開。2020年12月現在、グループ会社は15社に。社長就任以来35年間ほぼ毎日外食のため、毎朝4時30分に起床、1時間半の半身浴を行い、その後はジムにて1時間の筋トレを行ってから出社する自称健康オタク。趣味は旅行で、目標は100歳になっても自分の足で海外旅行に行くこと。奥さんから「(回遊魚の)マグロのよう」と形容されるほど好奇心旺盛で、いまなお様々なビジネスにチャレンジする一方、後継の育成にも尽力する日々。(公社)広島ビルメンテナンス協会会長。


原動力は好奇心。
失敗したならそこから学び、次へ活かせばいい。


先代(義父)が興したビルメンテナンス会社に23歳で入社。当時アウトソーシング事業は斬新でライバル会社もなかったため、27歳という若さで社長に就任した際も業績は右肩上がりだったと当時を振り返る杉川さん。継続的に収益が入ってくるため、バブル崩壊も影響は最小限。一方、世の中の大不況で新しい事業の話は来なくなりました。「何もしなくても収益はあるけど、何か面白くない」。そこで挑戦したのが複数のフランチャイズへの加盟です。しかし、結果はすべて失敗。ただ、安定している中で実行したこの時のチャレンジこそが、後の自分に、そして会社に良い効果を生んでくれたと杉川さんは確信を持って話します。
その後は、女性の社会進出や環境保護など時代の流れをいち早く捉え事業を幅広く展開。中でも大きな舵取りとなったのが、不動産経営に関する様々な業務を所有者に代わって行うプロパティマネジメントの新事業でした。折しも2006年からは指定管理者物件業務にも参入。知恵とノウハウを生かし、クライアントに代わって経営を代行するこれらの事業は、いまや基幹となり会社を支えています。2012年にはマリーナホップの運営をスタート。当時、同施設の経営は危機的状況で、このままでは更地となって県に返還することに。これに危機感と悔しさを感じた「なんとかしたい」という大きな決断がそこにはありました。
「新しい事業に取り組む原動力は、何かをしていたいという好奇心ですよ。たまたま中核にある事業に安定感があるため、色々なことにチャレンジしやすかったかもしれません。それでも、常にリスクヘッジは考えています」。民間では珍しく水族館もオープン。これまでは結びつかなかったビル清掃と商業施設の運営というイメージが、ようやく認知されてきたと語ります。「ビルの寿命を守るのは、定期的なビルメンテナンスです。清掃の社会的役割は大きく、私たちはその仕事に誠実でなければなりません。挑戦と進化を続けてきましたが、ビル清掃をはじめとしたアウトソーシング事業の根底にあるのはやはり信頼関係なんです。だからこれからどれだけ事業が拡大していこうとも、誠実な仕事だけは揺るぎません」。そんな杉川さんは、いまだ新たな事業展開にも貪欲です。やらないで後悔するより、やって失敗して学ぶほうがいい。それは30年間変わらない杉川流のビジネス哲学です。




2017年6月に開業した「マリホ水族館」

2017年6月に開業した「マリホ水族館」。オープンから約1ヶ月で入館者10万人を達成、2020年8月には100万人の大台に乗りました。広島の川の上流域を流れる激流をそのまま水族館に再現した世界初の「うねる渓流」など、小さな館内にはユニークな展示が盛りだくさん。子どもはもちろん、大人の好奇心をも満たしてくれると人気を集めています。


2019年4月、江津市より事業譲渡を受けた温泉リゾート「風の国」

2019年4月、江津市より事業譲渡を受けた温泉リゾート「風の国」。本格的な観光事業の第一歩としてスタートを切りましたが、非日常空間でグランピングを楽しめたり、醸造所で自慢の地ビールを味わえたり、サイクリングやテニスで体を動かしたり…自然あふれる環境で様々な体験ができると早くも話題です。今後は森の中にツリーハウスも建築予定。