シリーズ第1回「Use it or lose it(使わなければ失われる)」

Brain-Wellness
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「Use it or lose it」
(使わなければ失われる)


「もの忘れが増えた」
「集中力が続かない」と
感じることはありませんか?
脳の働きも筋肉と同じで、
使わなければ衰えてしまいます。
この連載では、
今注目のインフィニットマインドが
脳の健康を保つための
実践的なヒントを専門家の視点で
解説します。


《脳も使わないと衰える》

コロナ禍を経て、ご自身の健康を今まで以上に見直した方が多いのではないでしょうか。日常生活にウォーキングを取り入れたり食生活を見直す方が増えているようです。

身体を動かすには、脳・脊髄・末梢神経が連携して働く必要があります。身体はもちろんのこと脳を鍛えるという点でも運動は非常に優れています。

ある研究では、被験者に片脚を2週間固定して安静にさせたところ、脳の運動皮質の活動が低下し、筋力低下よりも先に“脳のコントロール機能”が弱まっていたことが確認されました。つまり、筋力が衰えるだけではなく、神経系にも深刻な変化が起きたのです。

このように、身体(カラダ)と脳(アタマ)は切り離せない関係にあります。カラダもアタマも使えば強化されますが、一方で使わなければ機能が退化する(神経系が刈り取られる)のです。神経科学の世界では、これを英語で「Use it or lose it」と表現しています。

年齢を重ねると、若い時と同じような学習方法や記憶方法は通用しなくなることがあります。一般的に、詰め込んで暗記する「知識記憶」は若い時に優位な学習法ですが、年齢を重ねると、思い出など自分が経験した「経験記憶」による学習法が優位になります。記憶力の衰えが気になる方は、いまの自身に優位な方法を使うことで衰えを補うと良いでしょう。

身体(カラダ)と脳(アタマ)は切り離せない関係にありますので、運動は双方に良い影響を与えますが、脳(アタマ)を活性化するという点から「脳トレ」に励む方も多いでしょう。書店の「脳トレ本」コーナーには多くの書籍が並んでおり、一冊に掲載されている問題数やバリエーションが豊富です。


《活性化だけでは意味がない》

脳(アタマ)を活性化させるための「脳トレ」はたくさんありますが、活性化させた後または活性化をさせながら何に役立てるのか、どのような目的で活性化をさせるのかがとても重要です。「脳トレ」で活性化した脳(アタマ)を鍛えるには、「脳トレ」後に仕事や日常生活でしっかりと使うことが必要です。

仕事や日常生活では、「会話」が効果的です。相手が話している内容についてメモをせずに聞き取り、その情報を脳(アタマ)に記憶させながら、相手の話に沿った返答をするという一連の流れは脳のワーキングメモリという機能にはたらきかける有効なトレーニングなのです。

また、読書をする際に、一定量を読み終えたら本を閉じ、書かれていた内容を思い出しながらつぶやくことも、脳(アタマ)のトレーニングとして効果的です。これは「リトリーバル学習法」と呼ばれています。

午前は身体(カラダ)と脳(アタマ)を連動させた運動に取り組み、その後は「脳トレ」などであえて脳(アタマ)を使う時間を設け、さらには会話や読書の時間を設けるなど「Use it or lose it」を意識してBrain Wellnessを目指しましょう。




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秦 有樹さん

・株式会社インフィニットマインド 代表取締役
・株式会社Progress 代表取締役CEO
・一般社団法人ワーキングメモリ教育推進協会
事務局長


大学卒業後から現在に至るまで民間の教育機関で講師、フランチャイズ事業、総務、マーケティング、教材開発、海外事業など幅広く職務に従事する。現在は複数の事業や企業を創業し、年齢や国を超えたサービス事業を展開している。


<主著>
「ながら脳トレ30」(幻冬舎)
「副業アイデア20: 1日30分でOK 小さく始めて月3万円稼ぐ」
「脳力道場ワークブック」
「脳力道場大人の教養シリーズ【古文編】」 など




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