「なんとなく体がだるい」「やる気が出ない」「朝起きるのがつらい」「食欲がない」…最近そんな症状はありませんか?夏の疲れを秋まで引きずっているなら、近年「9月病」と呼ばれている心身の不調のあらわれかもしれません。
Vol.57_秋なのに体がだるい?9月病を知っていますか
●こんなお悩みありませんか
夏の疲れの蓄積、冷房や冷たい飲食物による冷えと体のリズムの乱れ、長期休暇後のストレス、日照時間の変化など、さまざまな原因が重なって起こります。「9月病」という言葉は俗称で、医学的に正式な病名ではありません。だからこそ、誰にでも起こりうる、身近な不調です。
一昔前は暑い夏に体力を消耗して「夏バテ」になる人が多く、秋には体調が戻るはずでした。しかし冷房などで生活環境が改善されたことで、今度は「秋バテ」になる人が増えています。「秋バテ」と「9月病」は、近年ではほぼ同じように心身両面が不調をきたす状態を指しますが、「秋バテ」が主に肉体的な不調であるのに対し、「9月病」はより心の不調を強調していると言えるでしょう。
●なぜ9月に増えるの?
秋は、天気の変化と一日の寒暖差がとても大きい季節です。夏の暑さで疲れやストレスがたまったまま9月を迎えると、体は気温の変化に対応しようと無理をします。その結果、心や体の不調が現れやすくなります。疲れ切った自律神経が環境の変化にうまく対応できず、調整ができなくなることで体調不良を引き起こします。
さらに、秋は体だけでなく心にも影響が現れやすい季節です。「セロトニン」という脳内物質は気分を安定させたり、心を元気に保ったりする働きがある物質です。しかし、夏至を過ぎて日光を浴びる時間が減少すると分泌量も減少し、心の不調を引き起こします。セロトニンは体内時計の調整にも関わっているため、睡眠不足と夏場の冷えも相まって疲労回復がうまくいかず、余計に疲労を蓄積させてしまうという悪循環に陥ってしまいます。
結果的に生じる、疲れが取れない、気分が落ち込む、不眠、食欲低下、集中力の低下、頭痛や肩こり、といった諸症状には注意が必要です。
●予防のポイント
まずは規則正しい生活を心がけることが大切です。朝日を浴びる、規則正しい生活を心がける、バランスのよい食事をとる、適度に体を動かす、十分な睡眠をとるなど、日頃から生活習慣を整えることが9月病の予防につながります。
厚生労働省では例年9月に「健康増進普及月間」や「食生活改善普及運動」を実施しています。各自治体等の取組にも意識を向け、活用してみるのもよいでしょう。
そして何よりも、一人で抱え込まないことが大事です。もし幸いにも自分自身が健康であれば、身近な人が一人で抱え込んでいないか、心を配るチャンスです。不調な人の状況にも寛容さを持ちましょう。
●受診の目安
気分の落ち込みが続く、眠れない、食欲がない、仕事や家事が手につかない、といった状態が2週間以上続く場合は、医療機関への相談をおすすめします。
●薬剤師からひとこと
「9月病」は特別な病気ではなく、誰にでも起こりうる心身のサインです。無理をせず、生活リズムを整えながら、つらいときは早めに医師や薬剤師へご相談ください。
















